斜面の上部または下部に人間が生活に利用する空間をつくりだすために作った斜面を「法面」と言います。
その法面の表層が不安定化することを抑制又は抑止するため、構造物あるいは植物群落を造成するための工法であります。
のり面に植物を植える(吹付)ことにより、根が絡み合ってマット状になり表面浸食を防止します。
原則的に1:0.8より緩い勾配のり面に適用します。
種子散布工
種子、肥料、ファイバー(木質繊維)等を多量の用水で攪拌して、低粘度スラリー状にし、トラックに車載したハイドロシーダー(吹付機)で材料をのり面に吹き付けます。高能率で大面積の急速施工に適しています。
施工前
施工後
施工後6ヶ月
客土吹付工
良質土、肥料、ファイバー(木質繊維)、種子、安定剤等に水を加え泥状に混合したものを客土吹付機により厚さ1~3㎝程度に生育基盤を造成します。ある程度の基盤厚があるため、やせ地などに施工されます。下地に繊維網(ラッセルネット)又は亀甲金網を補助材として張る場合もあります。
施工前
施工後
施工後6ヶ月
植生基材吹付工(厚層基材吹付工)
のり面地山に亀甲金網を張り、緑化基盤材、肥料、混合種子、養生剤を混合したものをモルタルガン(吹付機)で3~10cm厚さでのり面に吹き付けます。岩盤、無土壌地などの緑化が極めて困難な箇所に適しています。
施工前
施工後
施工後6ヶ月
植生シート工
種子、肥料等を付着させたシートをのり面に被覆してアンカー等で固定します。対象地は盛土の土砂のり面などに限られますが、シートによる浸食防止効果が期待できます。
施工前
施工中
施工後
植生マット工
種子、肥料、生育基盤材等を包含した厚みのあるマット状のものをのり面に被覆します。切土のり面で土壌硬度27㎜以上ある場合に適用されます。
施工前
施工中
施工後
植生筋工
種子や肥料を付着させた布や紙(植生帯)をのり面上に水平筋状に挿入します。
張芝工
目串などでロール芝や切芝を一定の大きさ(30cm×30cm)に整形したものをのり面に張りつけます。施工直後からの浸食防止効果が期待できます。
筋芝工
盛土のり面の土羽打ちの際、切芝を一定間隔に水平筋状に植込みます。
モルタル(コンクリート)吹付工
のり面に菱形金網をアンカーピンで固定し、モルタル吹付は5~10㎝厚、コンクリート吹付では10~20㎝厚を標準とし、セメント・砂・骨材・水などを混合した後、圧縮空気を使った吹付機により吹き付ける。風化しやすい岩盤のり面や風化し崩落の恐れがある法面又のり面から浸透水がのり面を不安定にする場合に施工される。
施工前
施工中
施工後
吹付枠工
のり面に格子状あるいは亀甲状の型枠を設置し、モルタルで吹付施工します。のり面が高所や凸凹面のある法面に適しています。
施工前
施工中
施工後
現場打ちコンクリート法枠工
のり面に型枠を設置し、コンクリートポンプ等でコンクリートを打設します。大断面ののり枠が必要で、かつ平滑で法高が低い法面に用います。
プレキャスト法枠工
主に工場製品であるコンクリートブロックや鋼製、プラスチック製の材料をのり面に格子状あるいは亀甲状に枠を組立て設置します。
グランドアンカー工
削孔機により地山に安定地盤まで削孔し、孔の中に鋼材(アンカーテンドン)を挿入した後に硬化材を注入して固定します。必要な養生期間後に地山と引張り材間の付着がない自由長部に緊張力を加えて固定します。硬岩又は軟岩の法面で岩盤節理、亀裂などがあり崩落または剥離する恐れがある場合に用いられます。
施工前
施工中
施工後
鉄筋挿入工
施工方法等はグランドアンカー工と同様であるが、地山と引張り材間の付着がない自由長部がなく、鋼材が鉄筋であり主に5m以下である。
施工前
施工中
施工後
落石防止網工
ネット、ワイヤロープなどの軽量部材を使用して、落石発生の恐れのある斜面全面を覆い落石に対処するものである。覆式落石防止網とポケット式落石防止網の2種類がある。
覆式落石防止網工
ポケット式落石防止網工
落石防護柵工
比較的緩傾斜の斜面で表面に凸凹が少なく、小塊の落石が予想される箇所に適している。一般にケーブル金網式が多く、H形構造、立木利用金網式、緩衝式などがある。
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